October 06, 2023
〈huggable〉であることブルーボトルコーヒー
東京駅もほど近い銀座の中心地に構えるブルーボトルコーヒー 銀座カフェは、国内のみならず海外から東京へやってくる多くのゲストを日々迎えています。 銀座カフェでは、色彩というひとつの表現方法をこれまで以上に活用することで、コーヒーのフレーバーや楽しみ方を新しい形でお届けすることを試みています。白を基調としながら無垢の木材やレザーが使われた店内からは、落ち着きとともにゆったりとした時間を過ごせるラグジュアリーな雰囲気を感じます。“気持ちや感覚と密接に関わりのある色“をコンセプトに掲げたこちらの店舗では、ブルーボトルコーヒーのオリジナルサイズで製作した“ReIRABO”シリーズのカップでゲストをおもてなししているほか、完全別注で製作した“Blue Bottle Blue”カラーのうつわの販売も行っています。
yumiko iihoshi porcelainのカップでご提供いただいているのは、各店ごとに個性的なストーリーや魅力があるブルーボトルコーヒーの中でも銀座カフェのみ。特別な空間でのおもてなしのためにyumiko iihoshi porcelainのカップをお選びいただいた理由を伺いました。
「一番の理由は、ブルーボトルコーヒーの掲げる理念との共通項が多く、yumiko iihoshi porcelainのプロダクトが持つ大きな力に私たちが引き寄せられたからです。まず一つ、私たちは〈クラフトマンシップ〉を大切にしています。提供するものはコーヒーにとどまらず、コーヒーを通した体験すべてをゲストにお届けすることを目指していて、そこには人の手、つまりクラフトマンシップが介在していることが好ましいと思っています。そしてもう一つ、私たちはゲストのそれぞれの〈時間〉に寄り添うようなコーヒー体験をお届けしたいという思いがあります。朝の一杯のコーヒーの時間にも、夕方のほっと一息する時間にも、友人とのちょっとしたおしゃべりの時間にも寄り添うような場所であれたらという思いです。yumiko iihoshi porcelainのプロダクトからは、一つひとつ職人の手の表情が感じられるところがありますし、時間をテーマにサイズが異なる“unjour”というシリーズを製作されていますよね。そういったものづくりの背景にある価値観にとても共感することができたのが大きなきっかけとなりました」
最初のコラボレーションは2017年。ブルーボトルコーヒーのシーズナルギフトアイテムとして“ReIRABO”シリーズのカップをお選びいただきました。
「先ほどお話しした、人の手のぬくもり感やクラフトマンシップが感じられる“ReIRABO”シリーズは創業者のジェームスもとても気に入っています。彼がプロダクト開発において大切にしている考えの一つに〈huggable〉というものがあります。直訳すると、抱きしめたくなるような、という意味ですが、両手でそっと包み込みたくなるような愛らしさがあること、あるいは愛着が持てるものを指します。その〈huggable〉な要素が詰まっているのがyumiko iihoshi porcelainのプロダクトだと感じ、まずは2017年に、私たちのシーズナルギフトとしてオリジナルカラーで“ReIRABO”シリーズのカップを製作いただけないかとご相談しました」
まず生まれたのは、“Blue Bottle Blue”と名付けられたオリジナル釉薬を使用したアイテム。ブルーボトルコーヒーで働くバリスタのドレスコードとして着用するなど馴染みが深いシャンブレーの生地をイメージして製作しました。クリアでフラット、それでいて温かみのあるブルーに仕上がり、“Blue Bottle Blue”と名付けられました。
「その後、2019年の銀座カフェのオープンの際に、色彩がテーマになったこの店舗では、yumiko iihoshi porcelainのうつわを使ってご提供できたらきっといいのではないだろうかというアイディアが生まれました。そこで、ブルーボトルコーヒーのドリンクの提供サイズに合わせて、カプチーノカップとラテカップを製作いただきました。サイズ違いで並べてみると家族のような印象でとても愛らしいですよね。ペアでギフトとしてお選びいただく方も多いです」
店内での提供は、“ReIRABO”シリーズの定番カラーであるspring mint greenのカップとプレート。白を基調とする店内とのカラーマッチングがとても心地よい印象です。オリジナルカラーの“Blue Bottle Blue”とともに店内で販売されています。
「愛らしい表情やつい手にとりたくなる温かみを創業者のジェームスもとても気に入っています。また、飲み口がとても口にフィットするので心地よいとも話していました。実際に、カフェでドリンクをお楽しみいただいたゲストの方々が、使い心地を気に入っていただいて、お店を出る前にカップを購入いただくということもよくあります。海外のゲストのなかでも、中国では翡翠の色は縁起物として親しまれていることもあり、spring mint greenはその翡翠の色にも近いのでとても喜んでいただくことも多いようです」
プロダクトは、それ自体の力だけではなく、それをお使いいただく全てのものごととの関係性の中で大きな力を持つものです。ブルーボトルコーヒーの持つ世界観とyumiko iihoshi porcelainのプロダクトが共鳴することで、文字通り〈huggable〉な存在となって多くの方の時間に寄り添うことができている姿を目にすることができました。
ブルーボトルコーヒー 銀座カフェ
〒104-0061
東京都中央区銀座6-10-1
https://store.bluebottlecoffee.jp/pages/ginza
Interview & text Yukina Moriya
Photo Kohei Yamamoto