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July 27, 2023

どんなお料理も受けとめてくれる一皿Cadota

豊島区長崎にあるイタリアンレストランCadota(カドタ)は、東京の中でもどこか懐かしさを感じさせてくれる東長崎というエリアで2023年3月にオープン。いちじくの葉の形をモチーフにしたというカウンターと、小さなテーブル席からなる柔らかで落ち着きのある空間では、オーナーシェフの新井直之氏が修行された南イタリアのプーリア州仕込みの料理の数々を楽しめます。

今回は、そんなお店で使うお皿の製作のご依頼。「決して広くはない空間で使うお皿だからこそ、一皿でだいたいのお料理を提供できる汎用性があること、そしてスタッキング可能な形状や、食洗機にも対応できる丈夫さが欲しい」というのが、yumiko iihoshi porcelainでオリジナルのお皿を製作するにあたっての当初のご要望でした。

「まずは前菜を取り分けていただく際に使っていただけるよう、最初のテーブルセッティングでこのお皿をセットしています。その後、パスタをご注文されたお客様には、このお皿に一人分ずつ盛りつけてご提供しています。お店のシグネチャーである焦がし小麦を使ったオレキエッテはほとんどのお客様がご注文されるので、お皿の登場頻度はかなり高いです」と新井シェフがお話しくださるように、どんなお料理でも提供できることがもうひとつの条件。

ご要望のお皿を完成させるために、汁気があるものにも対応できるよう少し深さがある形状であること、そして、少量盛り付けても、たくさん盛り付けてもおさまりが良く、美味しく見えるデザインを考えました。新井シェフから大体のサイズイメージのリクエストがあったものの、サイズについては最後まで慎重に吟味していき、盛り付けた時 に適度な余白が生まれるよう、最終的にはご要望より少し大きなサイズに仕上がりました。

 

そして、Cadotaの象徴的なカウンターの上にお皿が提供されたときの姿を考え、カウンターに座るお客様から見ても、あるいはテーブル席の方や入店される方から見ても美しく見えるよう、高台をなくしすっと広がるシャープな線を描いた形状に。細部までこだわりがつまっています。

 

「yumiko iihoshi porcelainのうつわに魅力を感じたのも、日常的に使える親しみやすさがありながらしっかりと上質さを感じさせてくれたから。自分自身も、このお店は肩肘はらずに楽しめる上質な料理を楽しんでいただける空間にしたかったので、お料理やお店との親和性もあるだろうと思っていました。その思いがしっかりとデザインに表れていて、とても気に入っています。お皿の角を削りエッジをきかせた形状にすることで釉薬が垂れ、色の変化が生まれることや、厚みがあり一見ぽってりしているように見えるお皿が洗練された表情を見せることなど、よく見たら“普通ではない”こだわりがたくさんあります。そんな説明を聞いて、本当に微妙なポイントだけでこんなにはっきり印象が変わるんだ!というのに感動しました」と新井シェフ。

sand beigeとmoss grayの2色は、自ら農業を営む新井シェフの提供するお料理から香るほのかな土の匂いやあたたかさに寄り添えるような風合いが特徴。moss grayは焦がし小麦の色ともぴったりの相性です。

季節によって変化するどんな食材もお料理も、受けとめてくれるお皿になりました。

‘Cadota’ original plateは、yumiko iihosi porcelain東京店、大阪店、およびCadota店頭、オンラインショップにて限定販売しています。

Cadota
〒171-0051
東京都豊島区長崎 4-9-3 1F
050-3574-0315
https://cookandfarm.org/

Interview & text Yukina Moriya
Photo Kohei Yamamoto

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