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このコンテンツでは主にレストランやカフェ、ホテル等で業務用でご利用いただいているお客さまやyumiko iihoshi porcelainとのコラボレーションによりオリジナルアイテムをご依頼くださったお客さまへのインタビューを掲載しております。
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October 18, 2024

Don Bravo

強い日差しが照り付ける夏真っ盛りの頃、私は調布市国領にあるイタリアンレストラン Don Bravo (ドン ブラボー)へ、シェフ平 雅一氏のお話をうかがいにお邪魔しました。都心から少し離れたロケーションでありながら、厳選した素材を活かしたシンプルでオリジナリティ溢れる平シェフの料理を目当てに、連日遠方からも多くのゲストが訪れます。

ONIBUS COFFEEで使っていただいていた私共のコーヒーカップをご覧になったことがきっかけで、当時原宿のコープオリンピアにあったyumiko iihoshi porcelainの店舗まで足を運んでくださったことが平シェフとの最初の出会いでした。それ以来お店で使っていただいており、今回の取材では、食器をお選びいただいた背景や使い心地について、お話をうかがうことができました。

「オーバルプレートは一般的にはレストランというより、もう少しカジュアルな雰囲気で使われることが多いと思いますが、yumiko iihoshi porcelainOval Plateは質感や曲線の感じがきちんと洗練されている、けれどもかしこまったレストランすぎていない、という絶妙さに惹かれました。お店では、シンプルだけれど、食べ進めていくと驚きがあったり、誰もが知っているメニューだけど素材や技法にこだわって、ちゃんと『仕事』がされているということが伝わるような料理を目指しています。yumiko iihoshi porcelainの食器にもどこか共通するものを感じていて、自分のやりたいものと丁度良いなと感じています」

最初に用意してくださったのは、大きめにカットしたズッキーニを、水蒸気を纏わせながら薪でじっくりと焼き、下にはコリアンダーベースのソース、からすみ、アンチョビ、ブラッターチーズを忍ばせた一皿。端から食べ進めていくごとに楽しめる味のグラデーションや、ひとくちの中で感じる食材同士の組み合わせなど、シンプルなルックスからは想像もできない複雑な味わいに圧倒されます。

「食器は料理の印象を変えるもの。器から料理を考えることもあります。yumiko iihoshi porcelainの器は、前菜でもメインでも自由自在に使えるところが良いですね。これまでの洋食器はなんとなくこれは前菜用、これはメインディッシュ用と括りがあったけれど、unjourはどんなメニューでもきちんと形になる、許容の広さがありがたいです。手作りの食器の良さはもちろんありますが、楽しめる人が少ないですよね。量産品で色んな人の手に届く、だけど使うと背筋がすっと伸びる、そして使い心地の良さ、yumiko iihoshi porcelainの器はきちんとそこに落とし込めているなと感じます」

unjourプレートの特徴的なリムが存在感を引き立てているのは、滋賀のサカエヤ精肉店の熟成肉をつかったハンバーグ。塊肉を手切りにしてふんわり丸めたものを薪焼きにし、シンプルな赤ワインソースと一緒にいただきます。噛むほどにお肉の旨みの深さと、薪火の香りが広がる贅沢な一皿。誰にも親しまれるクラシックな料理も、素材にこだわり、そして手をかけて一味違うものを提供する、平シェフのこだわりを強く感じました。

住宅街にあるDon Bravoは、スタイリッシュなコンクリート打ちっぱなしの外観が象徴的。中はどんな様子なのだろうと少しドキドキしながら店内に入ると、臨場感あふれるオープンキッチンと活気あるスタッフに迎えられ、温かく心地良い雰囲気にほっとします。店内からも外の様子がうかがえないのは、住宅街にあることで外を歩く人や景色を気にすることなく、お店で過ごす時間は日常から離れてお食事を楽しんでいただけるように、という平シェフの想いがあります。

「若い世代から子連れのご家族、老夫婦まで、いろいろな人が同じ空間にいて成立する場所、それが嫌じゃないと思うような人が集まる空間を目指しています。それこそがレストランの本質になると思って」と語ってくださった平シェフ。気取らずにアットホームでありながら、ここでしか味わえない料理とともに上質で特別な時間を過ごしたいと、多少遠くとも多くのファンが何度も足を運ばれていることも、平シェフの想いが実現されている証なのだと感じました。最近は月2回日本料理屋で勉強をされており、そのことがきっかけで興味を持った和食器の作家さんのもとを訪れたりもしているそう。常に好奇心と探究心を持ち、アップデートを続ける平シェフのこれからの料理が、ますます楽しみに感じた今回の訪問でした。

 

Don Bravo
182-0022
東京都調布市国領町3-6-43 
042-482-7378
https://www.donbravo.net/

Photo Suguru Ariga
Interview & text Natsuko Kobayashi

 

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