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January 26, 2024

HOTEL IL PALAZZOEL DORADO

今回私が取材におうかがいした先は、世界的な建築家アルド・ロッシ氏と、日本を代表するインテリアデザイナー内田繁氏がタッグを組み、日本初のデザインホテルとして1989年に福岡市に開業した「HOTEL IL PALAZZO(ホテル イル・パラッツォ)」。34年の時を経てRe-Designを施し、昨年202310月にリニューアルオープンを果たし大きな話題を呼んだことは、皆さまの記憶にも新しいことと思います。

街の中でひときわ異彩を放つ外観の力強いデザインに衝撃を受けながら、別世界へと誘われるようにエントランスを通り抜け地下へと降りた先は、ストライプや列柱、赤・青・緑の配色など、ホテルが持つオリジナルのデザインを全面に取り入れてRe-Designされた大型ラウンジ「EL DORADO(エル・ドラド)」。中央にそびえ立つ象徴的な黄金のファサードとその手前に配置された内田繁氏の作品「ダンシングウォーター」が、訪れたゲストを華やかに迎えいれます。

ブッフェ形式のフードプレゼンテーションを行うエル・ドラドでは、ゲストが取り分ける際に使用する食器に、SHIONARIReIRABOシリーズをお使いいただいています。リニューアルオープンに際し、私共の食器をお選びいただいた背景や経緯について、ホテル イル・パラッツォ パティシエ 山本大輔氏にお話をうかがいました。

「食器の選定のため、展示会や食器専門店、飲食店やホテル視察等を繰り返す中で、yumiko iihoshi porcelainの食器シリーズSHIONARIに出会い、一目惚れしたのがきっかけです。滑らかな手触りとマットな風合いが、イル・パラッツォの内装イメージとマッチしていたのが決め手となりました。お客さま自身が手にとって料理をとりわけされるブッフェ形式ですので、質感や使いやすさ、テーブルに複数のお皿が並ぶ姿を想像することはもちろんですが、11メートルの長いブッフェテーブルに常時ご用意している器になりますので、料理と共に食器がフードプレゼンテーションの一部である、ということも意識しました」


SHIONARIは、特定のイメージやジャンルにカテゴライズされることがなく、どんな空間やシーンにも馴染むニュートラルなイメージを提案したシリーズ。軽やかな薄い作りとは対照的に、汚れにくく丈夫で、家庭用としてはもちろん、ホテルやレストランなどプロフェッショナルな現場にも適した強度を持ち合わせています。エル・ドラドでは、朝食からディナータイムまで途切れることなく、滞在中の宿泊ゲストからビジターまで、日々多くの方にご利用いただいている中、これまでに欠けた食器はごくわずかだという嬉しいお声もお聞きすることができました。

今回の訪問を通して、家具や照明はもちろんのこと、細部にいたるまで計算された圧倒的な空間の中で、私共の食器の新たな表情が照らし出された様子を目の当たりにしたとき、とても新鮮に感じました。「デザインが尽くされたホテルのラウンジ空間で料理を召し上がっていただきますので、食器もデザインされたホテル空間を構成する一つの要素として役割を果たす必要があると考えています」と山本氏がお話してくださったように、伝説のデザインホテルが現代のエッセンスを取り入れ新たな創造を生み出すとき、私共の食器がひとつのピースとなってその一端を担うことができればと願います。


HOTEL IL PALAZZO 
EL DORADO
810-0003 
福岡県福岡市中央区春吉3-13-1
0570-009-915
https://ilpalazzo.jp/

Photo Tsugumi Meno
Interview & text Natsuko Kobayashi

記事でご紹介したSHIONARIシリーズは、こちらからご覧ください。

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